本当のことは誰にも言わない

書けるときは書きます

ドイツ語のお勉強(ニーチェ『善悪の彼岸』29)

テキストはGutenberg Projectのこれ

 

原文

29.

Es ist die Sache der Wenigsten, unabhängig zu sein: - es ist ein Vorrecht der Starken. Und wer es versucht, auch mit dem besten Rechte dazu, aber ohne es zu müssen, beweist damit, dass er wahrscheinlich nicht nur stark, sondern bis zur Ausgelassenheit verwegen ist. Er begiebt sich in ein Labyrinth, er vertausendfältigt die Gefahren, welche das Leben an sich schon mit sich bringt; von denen es nicht die kleinste ist, dass Keiner mit Augen sieht, wie und wo er sich verirrt, vereinsamt und stückweise von irgend einem Höhlen-Minotaurus des Gewissens zerrissen wird. Gesetzt, ein Solcher geht zu Grunde, so geschieht es so ferne vom Verständniss der Menschen, dass sie es nicht fühlen und mitfühlen: - und er kann nicht mehr zurück! er kann auch zum Mitleiden der Menschen nicht mehr zurück! - -

試訳

何にも依存しないということは、きわめて少数の者のことである。つまり、強者の特権なのである。それに対するこの上ない権利をもちながら、しかし、そうでなければならないわけではないのに、何にも依存しないことを試みるものは、強いものであることが見込まれるだけではなく、大はしゃぎにするにいたるまで大胆なのである。その人は迷宮に赴き、生自体がもたらす危険を千倍にするのである。次のようなことは、その危険の最小のものではない。その人が迷って、孤独になり、言わば迷宮に住む良心のミノタウロスのようなものに、少しずつ引き裂かれることを、両の眼で見る人は誰もいないということは。そうしたものが滅びるとしても、そのときそれは人間たちにとってきわめて遠く離れたことなので、人間はそれを感じたりfühlen共感したりmitfühlenすることはない。―そしてその人は戻ることはもはやできないのである! 人間たちの同情に戻ることはもはやできないのである!―

 

コメント

誰にも何にも依存しないということは強さであるばかりではなく、それ以上のおかしなほどの大胆さでなければならない云々という話。

そうすると、良心のミノタウロスに少しずつ引き裂かれるらしい。そして、それは人間たちは気づくことさえできないみたいな。