本当のことは誰にも言わない

書けるときは書きます

ヴィム・ヴェンダース『ベルリン・天使の詩』(1987年)4/5点

おっさん天使のダミエル(ブルーノ・ガンツ)が天使としての永遠の生を捨て、人間として生きる話。

 

この映画では、天使は基本的におっさん(他にもいるのかもしれないが、出てこない)。天使たちには人間の考えることまでわかるのだが、反対に、子供以外の人間は天使の姿を見ることも、その声を聞くこともできない。ダミエルとカシエル(オットー・ザンダー)はベルリンという街が生まれる前から、それどころか人間が生まれる前からその地を見守ってきたのである。

 

ところが、ダミエルはサーカスで空中ブランコのパフォーマーであるマリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)に恋をして、永遠の命を捨てて人間になる。ここで、それまでほとんど白黒だった画面が、カラーになるのである。

 

天使がおっさんなのが、なんかいい。人間になったら、楽しいことばかりじゃないので、これから大変だと思うが。

 

天使として観察されるだけの世界が白黒であるのに対して、生身の人間として経験される世界がカラーなのが個人的には興味深い。モノクロとカラーの画面を使い分ける演出は稀ではないと思うのだが、色が生々しさ(?)の象徴になっている。マリーの部屋などの思考実験で色が問題にされるのと、なんかつなげられるような気もしなくもない。

ベルリン・天使の詩 デジタルニューマスター版 [DVD]

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